年次有給休暇の年5日の時季指定義務対象者・1年の数え方・控除できる日数・管理簿
答え
年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者(管理監督者を含む)について、使用者は基準日から1年以内に5日、時季を指定して取得させなければなりません。労働者が自分で請求して取得した日数と、計画的付与で取得した日数は、この5日から差し引けます。すでに5日以上取得している労働者には、使用者による時季指定は不要で、することもできません。
- 時期:
- 基準日から1年以内に5日
- 対象:
- 年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者を使用するすべての事業者
最終更新:
誰が対象になるか
対象は、年次有給休暇が10日以上付与される労働者です。管理監督者も含まれます。
年次有給休暇は、雇入れの日から起算して6か月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に年10日が付与されます。継続勤務6年6か月で年20日が限度です。
パートタイム労働者など所定労働日数が少ない労働者については、所定労働日数に応じた日数が比例付与されます。この場合も、付与日数が10日以上になれば対象です。
間違えやすい点:管理監督者は労働時間の規定が適用されないため対象外と思われがちですが、年5日の時季指定義務では対象に含まれます。
いつからいつまでの1年か
労働者ごとに、年次有給休暇を付与した日(基準日)から1年以内です。全社共通の年度ではありません。
4月1日入社の人であれば、法定の基準日は10月1日です。その場合、10月1日から翌年9月30日までの1年間に5日取得させることになります。
前倒しで付与した場合
法定の基準日(雇入れの日から半年後)より前に10日以上の年次有給休暇を付与する場合、使用者は付与した日から1年以内に5日を指定して取得させなければなりません。
4月1日入社時に10日付与した場合であれば、通常は10月1日から翌年9月30日の1年間に5日ですが、4月1日に前倒しで付与したことで、4月1日から翌年3月31日までの1年間に5日取得させることになります。
間違えやすい点:入社日に付与する運用にすると、親切のつもりが義務の開始を半年早めることになります。管理する期間が人ごとにずれるので、基準日を全社でそろえる運用とあわせて考えてください。
5日から差し引ける日数
労働者が自ら請求して取得した日数と、労使協定で取得時季を定めて与えた日数(計画的付与)は、5日から控除できます。
- 労働者が自ら5日取得した場合 → 使用者の時季指定は不要
- 労働者が自ら3日取得+計画的付与2日の場合 → 使用者の時季指定は不要
- 労働者が自ら3日取得した場合 → 使用者は2日を時季指定
- 計画的付与で2日取得した場合 → 使用者は3日を時季指定
間違えやすい点:すでに5日以上取得している労働者に対しては、使用者による時季指定は不要であり、することもできません。「念のため会社からも指定しておく」はできない取扱いです。
時季を決めるときの手続き
使用者は、時季指定にあたって労働者の意見を聴取し、その意見を尊重するよう努めなければなりません。
会社が一方的に日を決めて通知するだけでは、この手続きを踏んだことになりません。
年次有給休暇管理簿
使用者は、労働者ごとに年次有給休暇管理簿を作成し、3年間保存しなければなりません。
間違えやすい点:保存期間は3年です。健康診断の記録(5年)と取り違えやすいところです。
よくある質問
- Q. 年5日の有給取得義務の対象は誰ですか?
- A. 年次有給休暇が10日以上付与される労働者です。管理監督者も含まれます。パートタイム労働者でも、比例付与で10日以上になれば対象です。
- Q. いつまでに5日取得させればよいですか?
- A. 労働者ごとの基準日(年次有給休暇を付与した日)から1年以内です。全社共通の年度ではなく、人ごとに期間が違います。
- Q. 本人がすでに5日取っていたら、会社の指定は必要ですか?
- A. 不要です。すでに5日以上請求・取得している労働者に対しては、使用者による時季指定をする必要はなく、することもできません。
- Q. 計画的付与で取得させた日数は5日に含められますか?
- A. 含められます。労使協定で取得時季を定めて与えた日数は、5日から控除できます。労働者が自ら請求して取得した日数も同じです。
- Q. 年次有給休暇管理簿は何年保存しますか?
- A. 3年間です。労働者ごとに作成して保存します。
- Q. 入社日に有給を付与すると何が変わりますか?
- A. 法定の基準日より前に10日以上付与した場合、付与した日から1年以内に5日取得させる必要があります。4月1日入社時に付与すれば、4月1日から翌年3月31日までが対象期間になります。
出典
- 厚生労働省/年次有給休暇の時季指定義務(PDF)
このページは、上記の行政機関が公表した資料に書かれている内容にもとづいて労務ソースが整理したものです。金額や料率は年度で変わります。実務でお使いの際は、必ず出典元で最新の内容をご確認ください。
