労務実務の基礎毎年くり返し確かめる制度を、出典つきで1ページずつ
最低賃金はいくらか。保険料率は変わったか。傷病手当金は1日いくらか。 社労士と労務担当者が年に何度も確かめることを、制度ごとにまとめました。 都道府県別の一覧や料率表は、行政機関が公表した資料から機械で取り出しているので、書き写しの間違いが起きません。 出典のリンクは各ページの下に置いています。
賃金
保険料
- 雇用保険料率(令和8年度)事業の種類ごとの料率・労働者負担・前年度との違い令和8年度の雇用保険料率は、一般の事業で合計13.5/1,000(労働者負担5/1,000、事業主負担8.5/1,000)です。前年度の14.5/1,000から1/1,000下がりました。農林水産・清酒製造の事業は15.5/1,000、建設の事業は16.5/1,000で、いずれも前年度より1/1,000下がっています。
- 協会けんぽの健康保険料率(令和8年度)都道府県別の一覧・介護保険料率・子ども子育て支援金令和8年度の協会けんぽの健康保険料率は、令和8年3月分(4月納付分)から改定されました。47都道府県のうち40県が引下げ、7県が据え置きで、引上げはありません。最も高いのは佐賀県の10.55%、最も低いのは新潟県の9.21%です。介護保険料率は全国一律1.62%です。
- 労災保険率(令和8年度)事業の種類別の一覧・全額事業主負担・労務費率令和8年度の労災保険率は、令和7年度と同率です。事業の種類によって2.5/1,000から88/1,000まで差があり、いちばん低いのが原油又は天然ガス鉱業の2.5/1,000、いちばん高いのが金属鉱業・非金属鉱業・石炭鉱業の88/1,000です。労災保険料は全額が事業主負担です。
社会保険
- 短時間労働者の社会保険の加入条件2026年10月に賃金要件が撤廃・残る3つの要件2026年10月1日に、短時間労働者の社会保険の賃金要件(所定内賃金が月額8.8万円以上)が撤廃されました。いわゆる「106万円の壁」はなくなっています。残る要件は、週の所定労働時間が20時間以上であること、勤め先が従業員数51人以上の企業であること、学生でないことの3つです。
- 標準報酬月額はいつどう決まるか資格取得時決定・定時決定・随時改定・保険者決定標準報酬月額は、入社したときの「資格取得時の決定」、毎年4〜6月の報酬で決め直す「定時決定」、固定的賃金が変わって2等級以上動いたときの「随時改定」の3つで決まります。これらで算定が困難な場合などは、例外として保険者決定が行われます。
給付金
- 傷病手当金の支給条件と計算4つの条件・待期3日・1日あたりの額・通算1年6か月傷病手当金は、業務外のけがや病気で働けず、連続する3日間(待期)を含み4日以上仕事に就けず、その間の給与の支払いがないときに、4日目から支給されます。1日あたりの額は、支給開始日以前12か月の標準報酬月額を平均し、その30分の1の3分の2です。支給される期間は、支給を開始した日から通算して1年6か月です。
- 出産手当金と出産育児一時金産前42日・産後56日/1児につき50万円出産手当金は、出産の日(実際の出産が予定日後のときは出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合98日)から、出産の翌日以後56日目までの範囲内で会社を休んだ期間について支給されます。出産育児一時金は、産科医療補償制度に加入する医療機関で在胎週数22週以降に出産した場合、1児につき50万円です。
- 育児休業給付金と出生後休業支援給付金支給額の計算・180日の区切り・上限額と下限額育児休業給付金は「休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%」で計算し、育児休業開始から181日目以降は50%になります。一定の要件を満たすと、出生後休業支援給付金が13%上乗せされ、合わせて給付率80%(手取りで10割相当)になります。
労働時間
休暇・両立支援
- 年次有給休暇の年5日の時季指定義務対象者・1年の数え方・控除できる日数・管理簿年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者(管理監督者を含む)について、使用者は基準日から1年以内に5日、時季を指定して取得させなければなりません。労働者が自分で請求して取得した日数と、計画的付与で取得した日数は、この5日から差し引けます。すでに5日以上取得している労働者には、使用者による時季指定は不要で、することもできません。
- 育児・介護休業法の改正(令和7年施行)子の看護等休暇・残業免除の拡大・柔軟な働き方の措置育児・介護休業法は令和7年4月1日から段階的に施行されました。4月1日施行分では、子の看護休暇の対象が小学校3年生修了までに広がり「子の看護等休暇」に名称が変わったこと、残業免除の請求が小学校就学前の子を養育する労働者まで広がったことなどが変わりました。10月1日施行分では、3歳から小学校就学前の子を育てる労働者に対する「柔軟な働き方を実現するための措置」が義務になりました。
健康管理
- 定期健康診断の義務と検査項目対象者・回数・11項目・医師の判断で省略できる基準事業者は、常時使用する労働者に対し、1年以内ごとに1回、定期に、11項目について医師による健康診断を行わなければなりません(労働安全衛生規則第44条)。11項目のうち7項目は、厚生労働大臣が定める基準にもとづき、医師が必要でないと認めるときは省略できます。
- ストレスチェックの50人未満への義務化施行日・対象・実施義務の範囲・報告の要否令和7年5月14日に公布された改正労働安全衛生法により、これまで努力義務とされていた労働者数50人未満の事業場でも、ストレスチェックの実施が義務になります。厚生労働省の小規模事業場向けマニュアルは、施行日を令和10年4月1日と記載しています。
社内規程
手続きをいつまでに出すかは 社会保険・労働保険の年間スケジュール、制度そのものが変わる日程は 労務の法改正カレンダー にまとめています。
