副業・兼業をめぐる企業の実務対応について、労働政策研究・研修機構(JILPT)が2026年9月9日、資料シリーズNo.307『副業・兼業に関する企業ヒアリング調査』を公表しました。社労士や人事労務担当者が顧問先の就業規則や労働時間管理を点検する際の参考資料となる公的な調査資料です。

JILPTが『副業・兼業に関する企業ヒアリング調査』を公表

JILPTは2026年9月9日、資料シリーズNo.307として『副業・兼業に関する企業ヒアリング調査』を公表しました。資料シリーズは、JILPTが実施した調査の結果や収集した資料を取りまとめて公開するものです。

本記事の執筆時点で確認できるのは、上記のとおり同資料が公表されたという事実です。調査対象となった企業の属性、ヒアリング項目、個別企業の取組内容といった具体的な記載内容については、詳細は出典をご確認ください。推測に基づく要約は実務判断を誤らせるおそれがあるため、顧問先への説明資料として用いる場合は、必ず原資料本体を通読したうえで引用箇所を特定することをおすすめします。

副業・兼業の労務管理で社労士が点検しておきたい論点

副業・兼業は、就業規則の定め方から労働時間の把握、健康確保措置、情報管理まで、複数の実務領域にまたがるテーマです。今回の資料を読み解く際には、自社・顧問先の現状と照らし合わせられるよう、あらかじめ次のような整理をしておくと検討が進めやすくなります。

  • 就業規則に副業・兼業に関する規定があるか、許可制・届出制のいずれで運用しているか
  • 副業・兼業を行う従業員の労働時間管理をどの方法で行っているか、申告のルールが明文化されているか
  • 健康状態の確認や面談など、長時間就業への対応をどの部署が担っているか
  • 秘密保持や競業に関する取扱いを、どの文書(就業規則、誓約書など)で定めているか

これらはいずれも、実態と社内規程がずれやすい部分です。ヒアリング調査のような事例集は、自社の運用が他社と比べてどの程度整備されているかを相対的に把握する材料として活用できます。

厚労省は第211回労働条件分科会の開催案内を公表

あわせて、厚生労働省は2026年9月11日、第211回労働政策審議会労働条件分科会の開催案内を公表しました。労働条件分科会は労働基準法など労働条件に関する事項を審議する場であり、労務管理の実務に影響する議論が扱われます。

公表されているのは開催案内であり、議題や配付資料の内容についての詳細は出典をご確認ください。分科会の資料は後日公開されることが一般的なため、社労士としては開催案内の段階で日程を押さえ、資料公開後に内容を確認する流れが実務的です。

実務担当者が次に確認すべきこと

今回の2件の公表を踏まえ、当面の確認事項を整理します。

  • JILPT資料シリーズNo.307の本体を入手し、自社・顧問先の副業・兼業対応と比較できる記載を抽出する
  • 就業規則の副業・兼業規定と、実際の届出・許可の運用が一致しているかを点検する
  • 副業・兼業を行う従業員の労働時間管理と健康確保の手順を、担当部署とともに文書化しているか確認する
  • 第211回労働条件分科会の開催案内を確認し、公開される資料をフォローする体制をつくる

いずれの内容も、記載の範囲を超える判断は避け、原資料の記述に沿って顧問先へ案内することが重要です。