東京労働局が令和7年度の個別労働紛争解決制度の施行状況を公表
東京労働局は2026年8月28日、「令和7年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表しました。個別労働紛争解決制度の運用実績に関する年度単位の公表であり、社労士や企業の人事労務担当者が、労働者と事業主の間で生じる個別のトラブルの動向を把握するうえでの基礎資料となります。相談件数やあっせん等の内訳といった具体的な数値は、公表資料に記載されています。本稿では一次情報に明記されていない数値には触れていませんので、詳細は出典をご確認ください。
公表資料をどう読むか
今回公表されたのは、東京労働局が所管する令和7年度分の施行状況です。年度ごとに公表される性質の資料であるため、前年度以前の公表分と並べて確認することで、管内における相談・紛争の傾向を継続的に追うことができます。
読み取りにあたっては、次の点を意識すると顧問先への説明に活かしやすくなります。
- どの区分(相談・助言指導・あっせん等)の実績が示されているか
- 紛争の内容として整理されている区分と、その構成
- 前年度公表分と比較した場合の増減
いずれについても、記載内容は公表資料に依拠します。数値を顧問先向け資料や社内研修で引用する場合は、東京労働局の公表資料そのものにあたり、年度・対象範囲・集計単位を確認したうえで用いることが望まれます。
顧問先の労務管理で点検しておきたい社内ルールと記録
個別のトラブルが生じた際に事実関係を確認しやすくしておくことは、日常の労務管理における基本的な備えです。公表資料の内容とは別に、一般的な社内点検の観点として、次のような整備・保存状況を確認しておくと、相談があった場合の初動が取りやすくなります。
- 就業規則および賃金規程が最新の内容に更新され、周知されているか
- 採用時・契約更新時の労働条件通知書が交付され、控えが保存されているか
- 労働時間管理の記録(始業・終業時刻、時間外労働の実績)が客観的に残されているか
- 36協定の締結・届出内容と、実際の時間外労働の運用が一致しているか
- ハラスメント対策の相談窓口が設置され、従業員に周知されているか
- 退職・雇止め・配置転換など、労働条件の変更を伴う場面の説明経過が記録されているか
これらは個別の事案ごとに必要な対応が異なります。具体的な事案への対応方針は、事実関係を確認したうえで個別に検討することになります。
実務担当者が次に確認すべきこと
今回の公表を受けて、社会保険労務士および人事労務担当者が確認しておきたい事項を整理します。
- 東京労働局の公表資料本体で、令和7年度の集計対象期間と各区分の実績を確認する
- 過年度の公表分と並べ、管内の傾向として説明できる範囲を整理する
- 顧問先向けの案内では、公表資料に記載された事実と、自社での点検事項を分けて伝える
- 就業規則・賃金規程・労働条件通知書の整備状況を、顧問先ごとに棚卸しする
- 相談窓口や苦情処理の社内フローが機能しているかを、担当者レベルで確認する
なお、本稿は東京労働局の公表事実に基づくものであり、件数等の具体的数値および制度の細部については触れていません。引用・転記の際は、必ず一次情報の内容をご確認ください。

