厚生労働省は2026年9月3日、「労働者派遣法及び職業安定法違反に係る告発について」を公表しました。労働者派遣法と職業安定法の違反に関する告発の事実が行政から示されたもので、派遣元・派遣先を顧問先に持つ社労士や人事労務担当者にとって、あらためて自社・顧問先の労務管理体制を点検する契機となる発表です。

厚生労働省が労働者派遣法・職業安定法違反に係る告発を公表

今回の公表は、厚生労働省の新着情報として2026年9月3日付けで掲載されたものです。表題は「労働者派遣法及び職業安定法違反に係る告発について」とされており、労働者派遣法と職業安定法という、労働力需給調整に関わる二つの法律の違反が対象となっています。

本記事の作成時点で確認できる一次情報は、この表題と公表日、発表元が厚生労働省であるという事実です。告発の対象となった事業所の名称、違反の具体的な内容、適用条文、告発先などの詳細については、公表資料本体に記載されています。詳細は出典をご確認ください。推測で内容を補って顧問先に説明することは避け、必ず原資料に当たったうえで案内することが望まれます。

派遣・職業紹介に関わる顧問先で点検したい労務管理のポイント

厚生労働省が違反事案について告発という形で対応し、その事実を公表したこと自体が、労働者派遣事業・職業紹介事業に対する行政の姿勢を示す情報といえます。労働者派遣を行う顧問先、あるいは派遣労働者を受け入れている顧問先がある場合は、次のような基本的な事項を、この機会に社内で棚卸ししておくと整理がしやすくなります。

  • 労働者派遣事業・職業紹介事業に関する許可の有無と有効期間の確認
  • 労働者派遣契約の記載事項や、派遣元・派遣先それぞれの管理台帳の整備状況
  • 派遣労働者に交付している労働条件通知書の記載内容と、実際の就業実態との整合
  • 派遣先での労働時間管理割増賃金の計算、年次有給休暇の付与・管理の状況
  • 就業規則賃金規程が、実際の運用と食い違っていないか

これらは今回の公表資料に列挙されている項目ではなく、労働者派遣に関わる一般的な確認事項です。個々の事業所で何が問題となり得るかは実態によって異なるため、実際の点検にあたっては公表資料の内容と各社の状況を照らして判断する必要があります。

同時期に公表された「令和7年外国人雇用実態調査」の結果

厚生労働省は2026年8月31日にも、「令和7年外国人雇用実態調査」の結果を公表しています。外国人労働者の雇用実態を把握するための調査結果であり、外国人を雇用している顧問先や、これから受け入れを検討している事業所の人事労務担当者にとって参考となる資料です。具体的な調査項目や集計結果の数値は公表資料に記載されていますので、こちらも詳細は出典をご確認ください。

実務担当者が次に確認すべきこと

今回の二つの公表を受けて、社会保険労務士および人事労務担当者が優先して行いたい確認事項を整理します。

  • 厚生労働省の公表資料本体で、告発の対象・内容・時期を正確に把握する
  • 顧問先に労働者派遣事業者・職業紹介事業者が含まれるかを洗い出す
  • 該当する顧問先について、許可・契約書類・台帳・就業規則など基本書類の整備状況を確認する
  • 外国人を雇用している顧問先には、「令和7年外国人雇用実態調査」の結果を情報提供の材料として活用する

いずれも、まずは一次情報の内容を正確に確認したうえで、顧問先の実態に即した対応を検討することが出発点となります。