年次有給休暇の取得促進に関する情報が公表されました。全国社会保険労務士会連合会は2026年8月31日、厚生労働省の「年次有給休暇取得促進期間」(10月)についての案内を掲載しました。社労士や人事労務の担当者にとって、顧問先への周知や自社の労務管理を点検するきっかけとなる情報です。

年次有給休暇取得促進期間(10月)として公表された内容

今回公表されたのは、厚生労働省が10月を「年次有給休暇取得促進期間」として位置づけていることに関する案内です。全国社会保険労務士会連合会が2026年8月31日付で会員向けに情報提供しています。

ただし、当該案内で確認できるのは表題に示された取組の名称と実施時期(10月)にとどまります。取組の具体的な内容、周知資料の種類、実施される啓発活動の詳細、対象となる事業場の範囲などについては、一次情報の記載からは確認できません。詳細は出典をご確認ください。

一次情報に書かれていない事項は補わずに確認を

年次有給休暇をめぐっては、労働基準法上の取扱いや各社の就業規則・賃金規程の定めなど、実務上の論点が多岐にわたります。もっとも、今回の案内はあくまで取得促進期間の周知に関するものであり、法令の改正や新たな義務の創設を伝えるものとして記載されているわけではありません。

顧問先へ案内する際は、今回の公表内容と、既存の法令上の取扱いを混同しないことが重要です。取得促進期間に合わせて配布される資料や具体的な数値、期限などを引用する場合は、厚生労働省の公表資料そのものに当たって内容を確認したうえで用いる必要があります。

社労士・人事労務担当者が次に確認したいこと

今回の情報を踏まえ、実務上は次の点を順に確認しておくと整理しやすくなります。

  • 厚生労働省が公表している「年次有給休暇取得促進期間」に関する資料の原文を確認し、周知の対象・内容・利用できる広報素材を把握する
  • 自社および顧問先の就業規則・賃金規程における年次有給休暇の付与日数、時季指定、時間単位・半日単位の取扱いなどの規定内容を改めて点検する
  • 年次有給休暇の付与・取得状況を管理する帳簿やシステムが最新の在籍者情報と一致しているかを確認し、労働時間管理と併せて運用状況を把握する
  • 取得が進んでいない部署や職種がある場合、業務の繁閑や要員配置など、取得しにくい要因の有無を洗い出す
  • 10月に向けた社内周知の方法(掲示、社内メール、朝礼など)と、管理職向けの説明の要否を検討する

年次有給休暇の取得促進は、労務管理の基本でありながら、現場の業務都合によって運用が形骸化しやすい分野でもあります。取得促進期間という時期を利用して、規程の整備状況と実際の運用が一致しているかを点検することは、労使双方にとって有用と考えられます。

顧問先への案内で押さえておきたい視点

顧問先に案内する際は、まず「10月が年次有給休暇取得促進期間である」という事実を伝え、そのうえで各社の年次有給休暇の管理状況を確認してもらう流れが分かりやすいでしょう。新たな手続や届出が必要になるという記載は一次情報にはないため、その点を誤解なく伝えることも実務担当者の役割になります。

なお、本記事は全国社会保険労務士会連合会が2026年8月31日に掲載した案内に基づいています。取組の具体的内容や配布資料については、厚生労働省の公表情報を直接ご確認ください。